動詞の分類 -- 状態動詞 --

言語学者の金田一春彦は日本語の動詞の分類を試みましたが、英語の動詞の分類は Vendler が試みました。Vendler の分類をもとに、進行形が可能かどうか、意図性（命令文の可否）があるかどうか、完了性があるかどうか、継続性があるかどうか、を検討してみます。今回は第一弾、「状態動詞」です。

 

状態動詞とは、ある動作または作用が終了し、その結果が残っている「状態」を表します。自分の意思でとっさにコントロール（開始/終了）できないのが特徴です。また、モノ、コト、ヒトの状況や構成、心の動き、知覚動詞なども含みます。

例：have, like, desire, want, know, love, wear, live, resemble, exist, belong to, contain, depend on, differ, involve, remain, imagine, understand, think(思う)

 

進行形：不可　✕I’m knowing Mary. 

            ＊ただし、live と wear は一時的状態を表すときに、また、段階性が与えられた　　

　　　　　り、行動性の意味があるときは可能な場合もあります。

　　　　    Mary usually wears red on the stage, but she is wearing white today.

                （普段は、ステージでは赤い服だが今日は白だ）

　　　　　 Mary is depending on his boyfriend day by day. 

                 （day by day で段階を与えている）　　

　　　　　 I'm loving it. （おいしく食べている）

　　　　　　このlove は「おいしく食べる飲む」の意。

 

意図性（命令文可否）：可・不可　✕ Know Mary! 〇 Love yourself.

 

完了性：✕I knew the know-how in an hour.（×一時間コツがわかった）

　　　　✕I knew the know-how by yesterday. （×昨日までにコツがわかった）

 

継続性：〇I knew his phone number for only 3 days.

　　　　〇He will know his name until he loses his consciousness.

　　　　〇I have known him for 5 years.